絶望とはこういうものなのかもしれないと考えていた。「心配だったので電話しました」と一言だけ書かれたメールが届いていた。 着信に気づかなかったのは車を運転していたからだ。車から降りて電話をかける。大丈夫かと問われたので、「大丈夫ですよ」と答え…
前回来た時に「もうここに来ることはないだろうな」とぼんやり考えていたその建物は、取り壊されて跡形もなく消えていた。更地をざっと見渡して、意外と狭かったんだなと思った。ああ無くなっちゃったんだねという声に、そうですねと答えた。空には灰色の雲…
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