誰とも争うことはないけれど、誰を憎む根拠なら、それを根拠と呼ぶのなら、あるのかもしれない。あなたは自分しか愛さないのだと自分すら愛することのできない私が言い放つ。私はあなたのなんですかとあなたが私の何であるのか答えられな私が問い続ける。言葉が届くことはないし、納得できる返事があるはずもない。願いごとが叶えられたことがないのは、叶わない願いしか持ち合わせていないからだ。どれだけぶつけても満たされることはない。当然だ。
 愛を歌った曲をいくつも聞きながら、私には今までもこの先も全く関係がない世界の話だと切り捨てるしかなかった。物語なんて要らない。