笑顔

 嘘の中が心地よくて、悲しかったことも苦しかったことも忘れてしまいそうになる。憎悪が痛みをもって「忘れるな」と警告する。その本当に嬉しそうな笑顔を見せるのは私だけではないし、その優しい言葉も私だけにかけられるのではないのだ、彼らにはもっと大切にしている人がいることを忘れるなと憎悪が言う。全部嘘なのだ。だから言ったでしょう?彼らに対する言葉に棘を含ませても、やはり刺さらない。心が血を流すだけだ。