御機嫌如何

 
 誰のことも信じていないし人の気持ちもあんまり理解できないし誰かを愛するということが実は正直よくわからない、と書いたところで誰かを信じることができるようになるわけでもないし誰かを理解することができるようになるわけでも誰かを愛することができるようになるわけでもないことはよく知っている。何も変わらない。自分のアホさ加減を世間に知らせるだけで。と言っても、こんなところ誰も読んでいないし誰も何とも思わないだろう。別にいい。
 今年も年賀状を書かなかったしあけましておめでとうのメールにも返事を書かなかった。おめでとうと言う気に全くなれなかったのだ。この先もならないだろうと思っている。理由はどうあれ、せっかく葉書やメールをくれた彼らには毎度申し訳ないと思う。こんなところに書いても届くはずもない。半径は一層狭まり、ますます平坦になっていく。You choose. そうだよ。自分で選んでそうなったんだ。本当は誰かが持っていったわけじゃない。知ってるよ。
 私に何が起ころうと、どんなに悲しいことがあったとしても、私の生活は全く変わらない。日々の暮らしは心とは別にゆく、と歌う声を一時期毎日聞いていたことを思い出した。そういえばそうだよなと最近思う。本当も嘘も大事なことも言いたかったことも悲しかったこともうれしかったことも、だいたいいつもずっとあとになってから理解する。理解したところで何も起こらない。既に目の前に彼らはいないのだ。今起こっている出来事を理解できるのはどれくらい先なんだろうと思う。理解できたとして、その頃にはあなたはいなくなっているのだろうなと思う。
 そういえばあのレコードは誕生日に買ってもらったものだった。御機嫌如何。もうすぐ1月が終わる。