嘘が嗤う

 誰かを傷つけまいと嘘をついて自分が傷ついてしまうのは、「傷つけることでそのひとに嫌われる」というリスクを回避しようとした罰みたいなものなのかもしれない。本当のことを言ったときに誰かが受けたであろう、その痛みをひきうけることもできないくせに。カッコつけて、と嘘が嗤うのだ。