入院中のひとに花を持っていったとき、ベッドの中の彼が「ああ…綺麗だなあ…。綺麗だ…」と噛みしめるようにつぶやくのを聞いた。そのときはじめて「花は綺麗なもの」ということが言語とともに記銘されたのだということを、何度も何度も思い出している。