見知らぬ手と手

 つらい思いをしながらも生きようとしている人の告白を聞いてまず驚き、そして目を見つめてただ手をぎゅっと握る、そんな光景を間近で見ていた。ああ、と思う。そんな寄り添い方もあるのだな、と。そして涙が溢れた。この人のために何ができるだろうとこの数か月考えていた。できることはとても限られている。とても無力ではある。それでも、それでも、

 

 誰かが泣いていて、その人を抱きしめる夢を見た。誰かに抱きしめられたいのだろう。少し疲れている。